空き家コンパス 1分で診断

家財の処分

解体補助金がもらえない7つの理由

解体補助金は、条件を一つでも外れると出ません。掲載123市区の要件を数えると、交付決定の前に契約や着工をした工事を対象外にする市が75、特定空家や不良住宅の判定を求める市が84あります(2026年10月14日時点)。所得制限のある市は11、市内の業者に限る市は17、受付を終えた市区は23です。理由ごとに当てはまる市の数と、市へ聞いておくこと、補助金が使えない場合の選び方をまとめています。

更新日
2026年10月25日
路地に面して並ぶ古い二階建ての家

かかる費用の内訳

解体費と呼ばれる費用は、5つの費目に分かれます。 金額が決まっているのは解体工事の部分だけです。残りは見積もりを取るまで決まりません。

家財・残置物の撤去 量と間取り、搬出のしやすさで変わります。仏壇や金庫、農機具は別料金になる場合があります。 見積もりで確認
解体工事(木造) 全国平均です(2025年1〜5月、日本経済新聞)。重機が入りにくい場所は、これより高くなります。 約192万円
解体補助金 補助率は1/3〜1/2、上限は市ごとに違います。築年数や耐震性の条件があります。 −50万〜−150万円が目安
整地・廃材の運搬 見積書で別立てか、含まれているかを最初に確かめてください。 解体費に含まれる場合が多い
建物滅失登記 取り壊しから1か月以内に申請します。土地家屋調査士に頼むと数万円が目安です。 自分で申請すれば実費のみ
自己負担の合計 見積もりが出るまで決まりません

解体費の平均は、市区町村のページと同じ前提です。 補助金の上限と受付期間は市ごとに違います。お住まいの市のページで確かめてください。

「補助金があると聞いて市に電話したら、うちは対象外だと言われた」解体補助金を当てにしていた人に向けて、断られる理由を先に書いています。

結論

解体補助金は、条件を一つでも外れると出ません。このサイトに載せている123市区の要件を数えると、交付決定の前に契約や着工をした工事を対象外とする市が75、特定空家や不良住宅の判定を求める市が84あります(2026年10月14日時点)。受付が終わった市も23あり、年度の後半は使えない市が珍しくありません。

この記事で分かること

  • 補助金が出ない7つの理由と、それぞれ何市が当てはまるか
  • 断られる前に、市へ聞いておくこと
  • 補助金が使えないと分かった場合の、解体以外の選び方

こんな場合は診断へ

  • 補助金が使えない前提で、解体の自己負担を知りたい
  • 建物を残したまま売る場合の買取価格と、解体する場合の負担を比べたい
  • 来年度まで待つか、今年のうちに手放すかを決めたい

一つでも当てはまる場合は、空き家の診断で、市ごとの解体費と手取りの目安を出せます。所要時間は約1分です。

7つの理由と、当てはまる市の数

このサイトは、123市区の解体補助金の要件を載せています。要件と注意書きの文を理由ごとに数えた結果が、次の表です(2026年10月14日時点)。

断られる理由 当てはまる市区の数 例
1. 交付決定の前に契約・着工した 75 熊谷市、沼津市、和泉市
2. 特定空家や不良住宅の判定に届かない 84 鈴鹿市、沼津市、山形市
3. 昭和56年6月以降の建物 56 立川市、小田原市、豊川市
4. 所得・法人・市税の滞納 所得制限11、法人除外31、滞納70 吹田市、宇都宮市、和泉市
5. 市外の業者に頼んだ 17 太田市、熊谷市、八戸市
6. 予算終了・受付期間外 23 小田原市、沼津市、札幌市
7. 対象の地区の外にある 地区限定5、地区で上限が変わる市区7 杉並区、新宿区、旭川市

数は、各市の要件と注意書きの文を機械で数えたものです。市の要綱の全文を読んだ数ではありません。1つの市で、3つから5つの条件が重なるのが普通です。

1. 交付決定の前に契約・着工した

最も多い理由です。75市区が、交付決定の前に契約か着工をした工事を対象外にしています。

熊谷市の要綱は、請負契約を結ぶ前の申請を求めています。和泉市は「補助金の交付決定前に契約した除却工事には、本補助金を交付できません」と書いています。沼津市も、契約済みの物件を対象外としています。

注意

見積もりを取るところまでは問題ありません。業者から「先に契約しておきましょう」と言われても、交付決定の通知が届くまで契約しないでください。申請から交付決定までは、多くの市で2週間から1か月かかります。

申請の順番は解体補助金の申請はいつ、どの順番でしますかにまとめています。

2. 特定空家や不良住宅の判定に届かない

84市区が、市の判定を補助の条件にしています。判定の型は、次の3つです。

判定の型 内容 例
特定空家等の認定 空家特措法に基づき市が認定した建物だけ 鈴鹿市
不良住宅の判定 住宅地区改良法の基準で評点100点以上 沼津市、和泉市、山形市
老朽・危険の判定 市の現地調査で老朽空家や倒壊危険空家と判定 豊川市

鈴鹿市の補助は、市が特定空家等と認定した建物だけが対象です。市は、補助のために即時に認定することはしないと案内しています(2026年10月時点)。

評点100点は、屋根や柱の傷み、基礎の状態などを点数にした基準です。見た目が古いだけの家は、100点に届かないことがあります。雨漏りや傾きがない家は、判定で落ちる前提で考えます。

用語

不良住宅 住宅地区改良法施行規則の別表で評点を付け、100点以上になった住宅。構造の腐朽や破損の程度で点数が決まります。市の職員が現地で測定します。

3. 昭和56年6月以降の建物

56市区が、昭和56年5月31日以前の建物(旧耐震)を条件にしています。空き家に限った補助がなく、耐震の制度の除却助成を使う市に多い型です。

立川市は、市の助成で耐震診断を受け、評点が1.0未満と診断されることが条件です。小田原市も評点1.0未満が条件で、申請の前に市の職員による簡易耐震診断を受けます。

昭和56年6月以降に建った家は、この型の補助を受けられません。建築年は、固定資産税の課税明細書か、登記事項証明書で確かめます。

4. 所得・法人・市税の滞納

所得の制限がある市は11です。大阪府の吹田市、高槻市、茨木市、八尾市は、課税所得金額507万円未満が条件です。和泉市も同じ基準です。宇都宮市は世帯の合計所得818万円以下です。枚方市は世帯の年間所得256万8千円以下です。

法人の所有を対象外とする市区は31あります。相続した家を会社の名義にしている場合は、対象になりません。

市税の滞納がないことを条件にする市区は70です。八戸市のように、世帯の全員の滞納を見る市もあります。相続した家の固定資産税を払っていない場合は、先に納めます。

ポイント

所得は、申請する年の前年の金額で見ます。相続人が複数いる場合、誰が申請するかで条件に合うかが変わります。

5. 市外の業者に頼んだ

17市が、市内に本店や営業所がある業者の工事に限っています。太田市は、市外の業者に頼むと対象になりません。熊谷市、鈴鹿市、八戸市、青森市、旭川市も同じ型です。

遠方に住んでいて、自分の住む地域の業者に頼みたい場合は、申請の前に市に確かめます。市内の業者は、市の担当課で一覧を出している場合があります。

6. 予算終了・受付期間外

2026年10月14日時点で、23市区が新しい申請を受け付けていません。受付期間が終わった市が10、予算や件数に達して止まった市が13です。

小田原市は、本来の申請期限が11月末です。予定の件数に達したため、8月31日で受付を終えています。沼津市は、8月17日の時点で令和8年度の予算が終わっています。札幌市は9月30日で受付期間が終わりました。

4月から5月に受付が始まる市が多く、秋に調べ始めると使えない市が増えます。待つかどうかの考え方は、来年度を待つべきかの記事に書いています。

7. 対象の地区の外にある

区内や市内の一部だけを対象にする市区が5あります。杉並区は、木造住宅が密集する対象地域だけが対象で、区内全域ではありません。新宿区は、区が定める木造住宅密集地域の8地区の中にある木造住宅が条件です。旭川市は、市街化区域内で倒壊すると周辺に被害が出るおそれのある住宅か、防火地域の住宅です。

区内の一部に限る区は、ほかに練馬区と豊島区があります。練馬区は防災まちづくり事業実施地区内、豊島区は不燃化特区などが対象です。

地区によって上限が変わる市区も7あります。前橋市は、居住誘導区域内なら5万円の加算です。豊川市は、牛久保防災まちづくり地区計画の区域内なら10万円の加算です。八戸市は敷地の場所と接道で上限が4つに分かれます。千葉市、下関市、福井市、中野区も、場所で上限が変わります。

注意

地区の線引きは、市の都市計画の図で決まります。同じ町名でも、番地によって対象外になる場合があります。住所を伝えて、市に確かめてください。

補助金そのものがない市

7つの理由の前に、市に制度があるかを確かめます。補助制度を調べた207市区のうち、46市区には所有者が使える解体の補助がありません(2026年10月25日時点)。およそ2割です。

市の型 例 使える制度
解体の補助が一つもない 座間市、我孫子市、青梅市 なし。空き家バンクや家財処分の補助だけ
空き家専用はないが、耐震の除却助成がある 国分寺市、武蔵野市、多摩市 旧耐震の木造住宅の除却助成

座間市、我孫子市、青梅市には、2026年10月時点で解体の補助がありません。青梅市は空き家バンクに登録した家の家財の片付け費を補助します。2分の1で上限50万円ですが、建物の解体費は対象外です。補助の有無は、市の人口や地価とは関係がありません。

国分寺市には空き家専用の補助がありません。昭和56年5月以前の木造住宅なら、耐震化支援制度の除却助成を使えます。助成は除却費の3分の1で、上限は70万円です(2026年10月時点)。市の空き家のページが、空き家を解体したい人にこの制度を案内しています。武蔵野市は2分の1で上限50万円です。多摩市は2分の1で上限30万円です。どちらも耐震の制度の除却助成です。

ポイント

「空き家 補助金」で探して見つからない市があります。「耐震 除却 助成」で探すと出てくることがあります。耐震の制度は建築や住宅の課の担当で、空き家の相談窓口とは別の課の場合があります。

補助がない市では、解体費は全額が自己負担です。建物を残したまま売る選択を、最初から並べて比べます。

断られる前に市へ聞くこと

電話で次の5点を伝えると、対象になるかがその場で分かる市が多いです。

  1. 住所(番地まで)と、建物の建築年
  2. 空き家になってからの年数と、現在の傷み(雨漏り、傾き、外壁の落下)
  3. 申請する人の名義(相続登記が済んでいるか、共有か)
  4. 工事を頼む予定の業者の所在地
  5. 今年度の受付の状況と、残りの件数

市の担当課は、全国の空き家解体補助金一覧の各市のページに載せています。

補助金が使えないと分かった場合

補助金が使えない場合、解体費は全額が自己負担です。木造住宅の解体費は、平均で約192万円です(2025年1〜5月、日本経済新聞)。詳しくは空き家の解体費用の相場と、補助金でいくら戻りますかに書いています。

建物を残したまま売る方法もあります。この場合、解体費はかかりません。訳あり物件を専門に扱う買取業者は、古い建物が付いたままの査定を受け付けています。判断の分かれ目は、更地にしてから売るか、そのまま売るかの記事にまとめています。

まずやること

  1. 市のページで、受付中かどうかと今年度の残りの件数を見る
  2. 建築年と名義を、課税明細書と登記事項証明書で確かめる
  3. 市の担当課に電話し、上の5点を伝えて対象かどうかを聞く
  4. 対象なら、契約をせずに事前調査か判定の申請をする
  5. 対象外なら、空き家の診断で建物を残して売る場合の手取りを出す

まとめ

  • 補助金が出ない理由は、契約の順番、判定、建築年、所得や滞納、業者、受付の状況、地区の7つ
  • 123市区のうち75が交付決定前の契約を対象外にし、84が市の判定を求める
  • 受付を終えた市は23。4月から5月に始まる市が多い
  • 対象外でも、建物を残したまま売る道がある。解体費はかからない

見積もりで確かめること

  1. 残置物の撤去が見積もりに入っているか、別料金か
  2. 廃材の運搬と処分費が、総額に含まれているか
  3. 整地まで行うのか、更地に均すだけなのか
  4. 近隣への挨拶と養生の費用は、どちらが持つのか
  5. 補助金の申請書類を、業者が用意するのか

総額に何を含めるかは、業者によって違います。項目をそろえてから、金額を比べてください。

よくある質問

Q. 見積もりを取るだけなら、交付決定の前でも大丈夫ですか
多くの市で問題ありません。対象外になるのは、交付決定の前に請負契約を結ぶか、工事に着手した場合です。熊谷市の要綱は請負契約を結ぶ前の申請を求め、和泉市は交付決定前に契約した工事に補助金を交付できないと案内しています(2026年10月時点)。見積もりは複数の業者から取り、契約は交付決定の通知が届いてからにします。
Q. 古い家ならどこでも対象になりますか
なりません。掲載123市区のうち84が、特定空家等の認定や不良住宅の判定を条件にしています。沼津市や和泉市は住宅の不良度の評点100点以上、鈴鹿市は市が特定空家等と認定した建物だけが対象です。見た目が古いだけで、雨漏りや傾きがない家は判定に届かないことがあります。
Q. 所得が多いと補助金は出ませんか
所得の制限がある市は、掲載123市区のうち11です。吹田市、高槻市、茨木市、八尾市、和泉市は課税所得金額507万円未満、宇都宮市は世帯の合計所得818万円以下が条件です(2026年10月時点)。相続人が複数いる場合は、誰が申請するかで条件に合うかが変わります。
Q. 受付が終わっていたら、来年度まで待つべきですか
補助金の上限額と、待つ1年にかかる税と管理費を比べて決めます。上限が20万〜25万円の市では、1年分の費用が上限額の4〜7割になる計算です。来年度も同じ条件で実施される保証はありません。建物を残して売る場合は、補助金を待つ理由がありません。
Q. 市外に住んでいます。自分の近くの業者に頼めますか
市内の業者に限る市が17あります。太田市、熊谷市、鈴鹿市、八戸市、青森市、旭川市などです。市外の業者に頼むと対象外になるため、申請の前に市の担当課へ確かめてください。市内の業者の一覧を出している市もあります。
Q. 市に解体の補助金が一つもありません。ほかに使える制度はありますか
空き家専用の補助がなくても、耐震の制度に除却の助成がある市があります。国分寺市は、昭和56年5月以前の木造住宅の除却に3分の1を助成します。上限は70万円です(2026年10月時点)。市の建築や住宅の課に「耐震の除却助成」があるかを聞いてください。座間市や我孫子市には、どの制度にも除却の助成がありません。この場合、解体費は全額が自己負担です。建物を残したまま売る方法と比べます。

家財が残ったまま査定を取る

処分費込みで引き取る業者もあります。査定は無料で、金額を見てから断れます。 市ごとの補助金と解体費の比較は、市区町村のページに載せています。

家財が残ったままでも、無料で査定を頼む

広告当サイトは提携先から報酬を受け取ることがあります。査定は無料で、依頼しても売る義務はありません。

売らずに片付けだけ先に済ませたい場合は、不用品回収の見積もりを取ると費用の目安がつきます。

不用品回収の見積もりを取る(無料)

広告当サイトは提携先から報酬を受け取ることがあります。見積もりは無料で、依頼しても契約する義務はありません。

片づける前に、いくらで売れるかを見る

家財が残ったままでも、売れるかどうかの目安は出せます。 7つの質問に答えると、手元に残る金額の目安が分かります。所要時間は1分です。

お住まいの地域の条件で診断する

出典

  1. 熊谷市|空き家等除却補助金交付要綱(令和8年4月1日施行。請負契約前の申請)
  2. 和泉市|老朽危険空家等除却補助金交付要綱(10分の8・上限40万円、課税所得507万円未満、契約前の申請)
  3. 沼津市|空家等除却事業(不良度100点以上、交付決定前に契約した物件は対象外、令和8年度の予算は終了)
  4. 鈴鹿市|特定空家等除却費補助制度(市が特定空家等と認定した建物が対象)
  5. 立川市|木造住宅耐震改修等事業助成金交付要綱(除却は費用の100分の50、500,000円を限度。評点1.0未満)
  6. 小田原市|木造住宅除却工事補助金(2分の1・上限45万円。令和8年8月31日で受付終了)
  7. 豊川市|老朽空家等解体費補助金交付要綱(3分の2、上限20万〜40万円。昭和56年5月31日以前)
  8. 宇都宮市|老朽危険空き家の除却の補助(世帯の合計所得818万円以下)
  9. 吹田市|空き家の除却の補助(課税所得金額507万円未満)
  10. 枚方市|空き家の除却の補助(世帯の年間所得256万8千円以下)
  11. 太田市|空家除却補助金(市内の業者に発注)
  12. 八戸市|危険空き家等除却事業補助金交付要綱(市内に本店か支店がある業者、上限は4区分)
  13. 杉並区|老朽危険空き家の除却の助成(対象地域限定)
  14. 新宿区|木造住宅密集地域の除却助成(8地区)
  15. 旭川市|不良空き家住宅等除却費補助事業(市街化区域内か防火地域、市内に営業所がある業者)
  16. 前橋市|老朽空き家除却補助(居住誘導区域内は5万円加算)
  17. 札幌市|危険空家等除却補助制度(令和8年度の受付は9月30日まで)
  18. 日本経済新聞|木造住宅の解体費、2025年1〜5月平均約192万円(クラッソーネ調べ)
  19. 国分寺市|木造住宅の耐震診断・耐震改修等助成金(除却は工事費の3分の1・上限70万円。申請は令和9年1月29日まで)
  20. 国分寺市|空き家(地)をお持ちの方へ(空き家を解体したい場合は木造住宅耐震化支援制度を案内)
  21. 座間市|空き家対策(除却・解体の補助制度の掲載なし)
  22. 我孫子市|我孫子市空家等対策計画(令和7年9月改定。市の支援制度は住宅リフォーム補助金のみ)
  23. 青梅市|青梅市空き家の手引き(補助事業は家財道具等片付け等費用補助 2分の1・上限50万円ほか。解体補助なし)

記事の内容は、2026年10月25日時点の各出典にもとづいています。

関連する記事

この記事の情報について

費用の目安は、一般的な相場としてまとめたものです。実際の金額は、建物の構造、面積、立地で変わります。 契約の前に、2社以上から見積もりを取って確かめてください。