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空き家の売り方

査定だけ頼んでも大丈夫ですか。断り方と営業の実際

査定の依頼は、売買の契約とは別の手続きです。契約しないと伝えた相手に勧誘を続ける行為は、宅地建物取引業法の規則で禁止されています(国土交通省)。売買契約のあとはクーリング・オフが使えないため、断る場合は契約の前に伝えます。電話とメールの例文と、勧誘が続く場合の届け先を載せます。診断の買取価格の目安を、査定額の物差しにする方法も書いています(2026年10月時点)。

更新日
2026年10月12日
花の咲く庭の奥に建つ古い木造の家

3つの売り方の比較

項目 仲介で売る買取で売るそのまま持つ
現金になるまで 目安は3〜6か月です。買い手が見つかるまで進みません。目安は数日〜1か月です。査定額に納得すれば契約に進みます。—
手元に残る額 市場価格に近い金額です。仲介手数料が引かれます。市場価格より低くなります。仲介手数料はかかりません。固定資産税と管理費が毎年かかります。
向いている場合 駅に近い、建物がまだ使えるなど、買い手が見込める家早く手放したい場合。傷みや家財があり、そのままでは売りにくい家子どもが使う予定があるなど、手放さない理由がある場合
気をつけること 売れ残ると値下げが続きます。引き渡し後の不具合に責任を負う場合があります。提示額は業者で差が出ます。2社以上で比べてください。管理が行き届かないと、特定空家等に指定される場合があります。

仲介手数料の上限

売買価格が400万円を超える場合、仲介手数料の上限は「売買価格の3%+6万円」に消費税を加えた額です。 800万円以下の物件は、税込33万円まで受け取れる決まりがあります(2024年7月から)。 根拠は宅地建物取引業法46条と、国土交通省の告示です。

特定空家等または管理不全空家等に指定されて勧告を受けると、住宅用地の特例が外れます。 土地の固定資産税が上がるため、持ち続ける場合にも費用がかかります。

「査定を頼んだら、しつこく営業されるのではないか。断れなくなるのが心配で、申し込めない」実家の買取査定を頼むか迷っている人に向けて書いています。

結論

査定の依頼は、売買の契約とは別の手続きです。無料の査定であれば、査定額を聞いたあとで断っても費用はかかりません。契約しないと伝えた相手に勧誘を続ける行為は、宅地建物取引業法の規則で禁止されています(国土交通省)。売買契約を結んだあとは、クーリング・オフが使えません。断る場合は、契約の前に伝えます。

この記事で分かること

  • 査定だけを頼んだ場合に、売主が負う義務の範囲
  • 電話とメールで断るときの例文と、勧誘が続く場合の届け先
  • 診断の買取価格の目安を、査定額を比べる物差しにする方法

こんな場合は診断へ

  • 査定を頼みたいが、相場を知らないまま業者と話すのが不安
  • 査定額を聞いても、高いのか安いのかを判断できそうにない
  • 売るかどうかをまだ決めておらず、数字だけ先に知りたい

一つでも当てはまる場合は、空き家の診断で買取価格の目安を先に出せます。診断は会員登録なしで使えます。

査定だけを頼むことはできますか

査定は、業者が買取価格の見込みを示す手続きです。売買契約は、売主と買主が価格と条件に合意して成立します。査定を頼んだだけでは、売る義務は生じません。

無料の査定であれば、査定額を聞いて断っても費用はかかりません。測量や建物の検査など、有料の調査を勧められる場合があります。頼む前に、金額と、頼まない場合に査定が受けられるかを聞きます。

注意が要るのは、査定のあとの契約です。国民生活センターは、自宅の売却について注意を呼びかけています(2021年6月24日公表)。不動産業者に自宅を売った場合は、クーリング・オフができません。契約のあとに売主から解除するには、手付金の倍額を買主に払います。手付で解除できる期間を過ぎると、多くの場合は違約金が要ります。

査定は断れますが、契約は無条件では取り消せません。査定の場で契約書に署名しないでください。

用語

クーリング・オフ 契約のあと、一定の期間は無条件で解除できる制度です。宅地建物取引業法では、業者が売主で、一般の人が買主の場合の制度です(同法37条の2)。

営業の電話に関する決まり

宅地建物取引業者の勧誘には、法律と規則の決まりがあります。国土交通省は、禁止される勧誘として次の行為を挙げています。

禁止される行為 根拠(国土交通省の案内)
勧誘の前に、会社名、担当者の氏名、勧誘が目的であることを告げない 施行規則第16条の12
契約しないと伝えた相手に、勧誘を続ける 施行規則第16条の12
迷惑を覚えさせるような時間に、電話や訪問をする 施行規則第16条の12
私生活や業務の平穏を害する方法で、相手を困らせる 施行規則第16条の12
相手を威迫する 法第47条の2第2項

表の上から3つは、平成23年(2011年)10月1日に施行された規定です。「契約しない」という意思には、「今後の勧誘は受けたくない」という意思も含まれます。

国土交通省の案内は、投資用マンションの電話勧誘を例にしています。規定そのものは、宅地建物取引業者が契約の締結を勧誘する場面を対象にしています。

買取の査定を自分で申し込むと、業者から査定額の連絡が来ます。これは依頼に対する返事です。決まりに関わるのは、断ったあとも続く連絡です。断るときは「今後の連絡は不要です」まで伝えます。

査定の前に決めておく4つのこと

査定の場では、売る時期と希望の金額を聞かれます。答えを先に決めておくと、その場で返事を迫られても迷いません。

  1. 売る時期。「年内」「相続登記のあと」「未定」のどれかを決める
  2. 最低の金額。この額を下回る場合は売らないという線を決める
  3. 連絡の方法。電話かメールか、電話に出られる時間帯を決める
  4. 返事をする人。兄弟や共有者がいる場合は、窓口になる人を決める

時期が未定の場合は、未定と伝えて構いません。名義が亡くなった親のままの場合は、契約の前に相続登記が要ります。査定は登記の前でも受けられます。

査定で聞かれる書類は、登記事項証明書と固定資産税の納税通知書です。手元になくても査定は受けられます。

診断の目安を物差しにする方法

最低の金額は、相場を知らないと決められません。このサイトの診断は、市の地価と解体費から買取価格の目安を出します。目安は、土地値から解体費と処分費を引いた残りの55〜80%です(2026年10月時点の設定)。

3つの市の目安です。延べ床112㎡、土地180㎡の木造の家とした場合の計算です。

市(住宅地の地価) 買取価格の目安
太田市(約3.6万円/㎡) 約255万〜371万円
東広島市(約5.5万円/㎡) 約435万〜633万円
伊丹市(約20.0万円/㎡) 約1,853万〜2,695万円

地価は、2026年の公示地価の住宅地の平均です。処分費は15万円で計算しています。

査定額は、この幅と比べて読みます。

査定額 考えられる事情 業者に聞くこと
幅の下限より低い 業者が費用を多く見込んでいる 解体費と処分費をいくらで見たか
幅の中に入る 診断の前提と近い計算をしている 引き渡しの時期と、契約後の減額の有無
幅の上限より高い 建物を活かす前提か、条件付きの額 価格が下がる条件と、決済の日

下限より低い査定が、不当とは限りません。道が狭い、境界が決まっていない、家財が多いなどの事情で、費用は増えます。理由を聞いて、内訳で比べます。価格の決まり方は空き家の買取価格はどう決まりますかに書いています。

注意

診断の幅の下限を、そのまま最低の金額にしないでください。診断の目安は計算上の値で、業者の査定額とは違います。2社以上の査定額を見てから、最低の金額を決め直します。

交渉で動く範囲は買取価格は交渉できますかに載せています。

断るときの伝え方

断るときは、理由を長く説明しません。結論、一言の理由、今後の連絡の3点を伝えます。

電話で断る場合の例です。

  • 「査定をありがとうございました。家族と話し合い、今回は売らないことにしました。今後のご連絡は不要です」
  • 「検討の結果、他社にお願いすることにしました。今後のお電話は不要です」

メールで断る場合の例です。

  • 「先日は査定をしていただき、ありがとうございました。検討の結果、今回は見送ることにしました。今後の電話とメールでのご連絡は不要です」

売る時期が決まっていない場合の例です。

  • 「売る時期が決まっていません。決まりましたら、こちらから連絡します。それまでのご連絡は不要です」

「検討します」とだけ答えると、検討の結果を聞く連絡が続きます。売らないと決めた場合は、売らないと伝えます。国民生活センターは、売る意思がない場合は「自宅は売りません」とその場で伝えるよう勧めています。今後の勧誘についても、「やめてください」と伝えるよう勧めています。

断った日と、相手の会社名、担当者の名前を控えておきます。次の項目の届け出に使います。

勧誘が続く場合の相談先

断ったあとも電話や訪問が続く場合は、記録を取ります。国土交通省は、次の内容を記録して免許行政庁に知らせるよう案内しています。

  • 勧誘を受けた日時
  • 会社名、所在地、免許証番号
  • 担当者の名前
  • 具体的なやり取り

用語

免許行政庁 宅地建物取引業の免許を出した役所です。国土交通大臣の免許は地方整備局など、知事の免許は都道府県の担当課が窓口です。

相談先 相談できること
免許行政庁(地方整備局、都道府県) 断ったあとの勧誘など、業者の行為の申し出
消費者ホットライン 188 契約のトラブル全般。最寄りの消費生活センターを案内する
業者の個人情報の相談窓口 自分の連絡先の消去の申し出

免許証番号は、業者の名刺とサイトに載っています。免許を出した役所は、国土交通省の検索システムで調べられます。調べ方は空き家買取業者は怪しい?トラブルを避ける確認点に書いています。

注意

国民生活センターの集計では、住宅の売却の相談のうち、契約した人が70歳以上の割合は2020年度に52.3%でした。親が一人で業者に対応する場合は、家族が同席するか、返事を家族に回してもらいます。

査定を受ける日の5つの手順

  1. 査定額を書面かメールで受け取る。口頭だけの額は、あとで比べられない
  2. 土地値、解体費、処分費の内訳を聞く
  3. その場で契約書に署名しない。写しを持ち帰って読む
  4. 返事の期限を自分から伝える。「1週間以内にこちらから連絡します」と言う
  5. 断る場合は、今後の連絡が不要であることまで伝える

まずやること

  1. 空き家の診断で、買取価格の目安の幅を出す
  2. 売る時期、最低の金額、連絡の方法、返事をする人を決める
  3. 査定を2社以上に頼み、書面で額と内訳を受け取る
  4. 診断の幅と比べ、幅から外れた査定は理由を聞く
  5. 断る業者には、今後の連絡が不要と伝える

診断の結果がじっくり比べる家の場合は、査定額の差が手取りに響きます。そのまま売れる家の場合は、建物を壊す前に査定を受けます。

まとめ

  • 査定の依頼は契約とは別で、査定額を聞いたあとで断れます
  • 契約しないと伝えた相手への勧誘の継続は、宅地建物取引業法の規則で禁止されています
  • 売買契約のあとは、クーリング・オフが使えません。査定の場では署名しません
  • 診断の目安(費用を引いた残りの55〜80%)を、査定額を比べる物差しにします
  • 断ったあとも勧誘が続く場合は、記録を取り、免許行政庁か188に相談します

よくある質問

Q. 査定を頼むと、必ず売らなければなりませんか
売る義務は生じません。査定は、業者が買取価格の見込みを示す手続きです。売買契約は、売主と買主が価格と条件に合意して成立します。査定の場では、契約書に署名しないでください。
Q. 断ったあとも電話が続く場合は、どうすればよいですか
契約しないと伝えた相手に勧誘を続ける行為は、宅地建物取引業法の規則で禁止されています(国土交通省)。日時、会社名、免許証番号、担当者の名前、やり取りを記録します。記録を、業者の免許を出した地方整備局か都道府県に知らせます。
Q. 契約したあとで、気が変わった場合は取り消せますか
無条件では取り消せません。自宅を不動産業者に売った場合は、クーリング・オフができません(国民生活センター、2021年6月24日公表)。売主から解除するには、手付金の倍額を買主に払います。手付で解除できる期間を過ぎると、多くの場合は違約金が要ります。
Q. 査定額が妥当かどうかは、どう判断しますか
2社以上の査定額を、土地値、解体費、処分費の内訳で比べます。このサイトの診断は、買取価格の目安を、費用を引いた残りの55〜80%の幅で出します(2026年10月時点の設定)。幅から外れた査定は、業者に理由を聞いてください。

査定は2社以上で比べる

買取の提示額は、業者によって差が出ます。複数の金額を見てから決めてください。 市ごとの解体費との比較は、市区町村のページに載せています。

建物を残したまま、無料で査定を頼む

広告当サイトは提携先から報酬を受け取ることがあります。査定は無料で、依頼しても売る義務はありません。

お住まいの市の条件で計算する

建物を残して売った場合の手取りと、解体した場合の自己負担を、市の地価と補助制度から計算します。 所要時間は1分です。名前や連絡先の入力はありません。

お住まいの地域の条件で診断する

出典

  1. 国土交通省|投資用マンションについての悪質な勧誘電話等にご注意ください(禁止される勧誘行為、施行規則第16条の12、平成23年10月1日施行、記録する事項と免許行政庁)
  2. 国民生活センター|高齢者の自宅の売却トラブルに注意(2021年6月24日。クーリング・オフ不可、断り方の助言、消費者ホットライン188)
  3. 国民生活センター|同 報告書PDF(宅地建物取引業法第37条の2、手付倍返し、2020年度は70歳以上が52.3%)
  4. 国土交通省|建設業者・宅建業者等企業情報検索システム(免許行政庁の確認)

記事の内容は、2026年10月12日時点の各出典にもとづいています。

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この記事の情報について

一般的な情報としてまとめたものです。実際の売却条件や税額は、物件ごとに変わります。 契約の前に、宅地建物取引業者と税理士に確かめてください。