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空き家の売り方

媒介契約の3種類、空き家ではどれを選びますか

媒介契約は専属専任、専任、一般の3種類です。違いは、1社に絞るか、自分で見つけた買主に売れるか、報告とレインズ登録の義務があるかの3点です。有効期間は3か月が上限です(国土交通省の標準媒介契約約款)。遠方の実家は報告義務のある専任媒介、隣の家や親戚が買う可能性がある家は自己発見取引ができる専任か一般が向いています。2025年1月からは、売主がレインズの取引状況を自分で確認できます。仲介手数料の上限は契約の種類で変わらず、800万円以下の家は33万円です。空き家の事情ごとの選び方をまとめます(2026年9月時点)。

更新日
2026年9月23日
路地に面して並ぶ古い二階建ての家

3つの売り方の比較

項目 仲介で売る買取で売るそのまま持つ
現金になるまで 目安は3〜6か月です。買い手が見つかるまで進みません。目安は数日〜1か月です。査定額に納得すれば契約に進みます。—
手元に残る額 市場価格に近い金額です。仲介手数料が引かれます。市場価格より低くなります。仲介手数料はかかりません。固定資産税と管理費が毎年かかります。
向いている場合 駅に近い、建物がまだ使えるなど、買い手が見込める家早く手放したい場合。傷みや家財があり、そのままでは売りにくい家子どもが使う予定があるなど、手放さない理由がある場合
気をつけること 売れ残ると値下げが続きます。引き渡し後の不具合に責任を負う場合があります。提示額は業者で差が出ます。2社以上で比べてください。管理が行き届かないと、特定空家等に指定される場合があります。

仲介手数料の上限

売買価格が400万円を超える場合、仲介手数料の上限は「売買価格の3%+6万円」に消費税を加えた額です。 800万円以下の物件は、税込33万円まで受け取れる決まりがあります(2024年7月から)。 根拠は宅地建物取引業法46条と、国土交通省の告示です。

特定空家等または管理不全空家等に指定されて勧告を受けると、住宅用地の特例が外れます。 土地の固定資産税が上がるため、持ち続ける場合にも費用がかかります。

「不動産会社から媒介契約書を渡された。専任と一般、どちらに丸を付ければいいのか」相続した実家を仲介で売ることに決め、最初の契約を前にして迷っている人に向けて書いています。

結論

媒介契約は専属専任、専任、一般の3種類で、違いは「1社に絞るか」「自分で買主を見つけてよいか」「報告と登録の義務があるか」の3点です。遠方の実家で状況が見えない人は、2週間に1回以上の報告義務がある専任媒介が向いています。隣の家の人や親戚が買う可能性がある家は、自己発見取引ができる専任か一般を選びます。どの契約でも仲介手数料の上限は同じで、800万円以下の家は33万円です(2024年7月1日から)。

この記事で分かること

  • 3種類の媒介契約の義務の違いを、国の標準約款の条文で確かめる方法
  • 空き家の事情(遠方・隣地・共有・古さ)ごとに、どの契約を選ぶかの判断基準
  • 2025年1月から始まった「囲い込み」対策で、売主が確認できるようになったこと

こんな場合は診断へ

  • 不動産会社に勧められるまま専属専任に印を押そうとしている
  • 隣の家の人から「土地を売るなら声をかけて」と言われている
  • 遠方に住んでいて、売り出した後の様子を確かめる手段がない

一つでも当てはまる場合は、空き家の診断で、売れるかどうかと手取りの目安が出ます。入力は約1分です。

3種類の違いは3点です

媒介契約は、不動産会社に売却の仲介を頼む契約です。宅地建物取引業法第34条の2により、不動産会社は契約の内容を書面にして渡す義務があります。書面のひな型は国土交通省の「標準媒介契約約款」で、最終改正は2022年5月26日です。

比べる点 専属専任媒介 専任媒介 一般媒介
他の会社にも頼めるか × × ○
自分で買主を見つけてよいか × ○ ○
有効期間 3か月以内 3か月以内 定めなし
レインズへの登録 契約の翌日から5日以内 契約の翌日から7日以内 任意
売主への報告 1週間に1回以上 2週間に1回以上 義務なし

凡例は○が可、×が不可です(標準媒介契約約款、東日本レインズ、2026年9月時点)。登録の日数は不動産会社の休業日を除いて数えます。

有効期間の3か月は上限で、更新は自動ではありません。標準約款では、期間が満了するときに売主が文書で申し出て更新します。更新の申し出をしなければ契約は終わり、別の会社や別の売り方に切り替えられます。

用語

レインズ 国土交通大臣が指定した不動産流通機構の物件情報システムです。登録された物件は、全国の不動産会社が検索できます。専属専任と専任では登録が義務で、登録後に売主へ登録証明書が渡されます。一般媒介では登録は任意です。

自分で買主を見つけたときの扱い

専属専任媒介では、有効期間中に自分で見つけた相手と売買契約を結ぶことができません。標準約款の第12条は、これに反した場合の違約金を「約定報酬額に相当する金額」と定めています。仲介手数料と同じ額を払うことになります。

専任媒介では、自分で見つけた相手と契約できます。この場合、不動産会社は「媒介契約の履行のために要した費用の償還」を請求できます(標準約款第14条)。広告費や交通費など、実際にかかった費用の実費です。

一般媒介は、他の会社に重ねて頼むときに、その会社の名前を明示する「明示型」が原則です。明示しない契約にするには特約が要ります。他の会社に頼んだときは、通知する義務があります。

注意

専任媒介でも、他の不動産会社に重ねて頼んで契約が成立した場合は、違約金の対象です(標準約款第12条)。「専任だが、知り合いの不動産会社にも声をかけておいた」は違反になります。自分で見つけた買主は認められますが、別の会社を通した買主は認められません。

空き家の事情ごとの選び方

相続した実家は、住んでいる家の売却と事情が違います。判断の軸は、売主が現地にいるか、買主の当てがあるか、家の条件が一般の買主向きか、の3つです。

実家の事情 向いている契約 理由
遠方に住んでいて現地を見られない 専任 2週間に1回以上の報告で状況が分かる。1社に絞ると連絡先が1つで済む
隣の家や親戚が買う可能性がある 専任か一般 自己発見取引ができる。専属専任だと違約金の対象になる
前の道が狭く、建て替えができない 専任か一般 買主は隣地の所有者か専門の買取業者が中心になる。自分で隣地に声をかける余地を残す
兄弟で共有している 種類より先に全員の同意 共有者全員が売主として契約する。1人が勝手に媒介契約を結んでも売れない
土地の値段が解体費に近い 媒介契約の前に買取査定 仲介で買主が付きにくい。先に買取の値段を見てから決める

前の道が狭い家の扱いは再建築不可の空き家は売れますかに、共有の家の手順は兄弟と共有名義の実家は、一人では売れませんかにまとめています。診断で隣にこそ価値がある家と判定された家は、専属専任を避けます。

ポイント

一般媒介で複数の会社に頼むと、会社ごとの動きが比べられます。反面、報告の義務がなく、どの会社も「他社で決まるかもしれない」物件に広告費をかけにくくなります。地方の空き家で問い合わせが少ない場合、一般媒介は放置されやすい契約です。遠方の実家なら、報告義務のある専任媒介で1社に責任を持たせるほうが、動きが見えます。

2025年1月から、売主が「囲い込み」を確かめられます

囲い込みとは、専任で預かった物件を他の会社に紹介させない行為です。他社からの問い合わせに「商談中」と答え、自社で買主も見つけて両方から手数料を取ります。売主から見ると、買主候補が減って売れる機会を失います。

2025年1月1日から、宅地建物取引業法施行規則の改正で、不動産会社はレインズに物件の「取引状況」を登録する義務を負いました。登録する状況は「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3種類です(国土交通省)。事実と違う登録は監督処分の対象になります。

売主は、登録証明書に記載された売却依頼主向けのIDとパスワードで、レインズの売主専用画面に入れます。2025年1月4日からは登録証明書に二次元コードが付き、画面に入りやすくなりました。自分の家が「公開中」になっているか、申し込みがないのに「一時紹介停止中」になっていないかを、売主が自分で見られます。

ポイント

専任媒介を結んだら、登録証明書を必ず受け取ります。証明書には売却価格、所在地、面積など、レインズに登録された物件情報の概要が載っています。売り出しから1週間たっても証明書が届かない場合は、登録期限の7日を過ぎている可能性があるので、不動産会社に確認します。

仲介手数料は契約の種類で変わりません

3種類のどれを選んでも、仲介手数料の上限は同じです。売却価格の400万円を超える部分は3%、200万円超400万円以下は4%、200万円以下は5%で、消費税が加わります(国土交通省)。1,000万円で売れた家なら、上限は39万6,000円です。

2024年7月1日からは、800万円以下(税抜き)の家に特例があります。売主から受け取る手数料の上限が33万円(税込み)です(国土交通省告示第949号)。地方の空き家は、この価格帯に入る家が多くあります。この特例を使うには、媒介契約を結ぶ前に不動産会社が売主に説明し、合意を得る必要があります。媒介契約書に手数料の額が書かれているか確認します。

仲介手数料は成功報酬です。売れなければ払いません。専任媒介の途中で自分の買主に売った場合の費用償還も、手数料ではなく実費です。

買取なら媒介契約は要りません

買取は、不動産会社が自分で買うので、媒介契約も仲介手数料もありません。査定、価格の提示、契約、決済の順で進みます。仲介で買主を探す期間を省く代わりに、価格は仲介より下がります。仲介と買取の違いは空き家は仲介と買取、どちらで売るべきですかにまとめています。

このサイトの計算では、徳島市の土地180㎡・延床112㎡の家は、土地の値段が約1,312万円です。買取の目安は613万〜891万円です(2026年9月時点。地価は令和8年地価公示の住宅地平均)。仲介なら土地の値段に近い額を狙えますが、期間と手数料がかかります。買取の値段を先に取り、それを下回らない価格で仲介に出す、という順番が使えます。

まずやること

  1. 実家の事情を3つの軸で整理します。現地に行けるか、買主の当てがあるか、家の条件が一般向きか
  2. 不動産会社に査定を頼み、仲介の想定価格と、買取の値段の両方を聞きます
  3. 媒介契約書で、種類、有効期間、報告の頻度、手数料の額、レインズ登録の期限を確認します
  4. 専任か専属専任なら、契約から7日以内(専属専任は5日以内)に登録証明書を受け取ります
  5. 3か月の満了時に、問い合わせ件数と内覧件数を報告書で見て、更新するか切り替えるかを決めます

まとめ

  • 媒介契約は3種類。違いは1社に絞るか、自己発見取引ができるか、報告と登録の義務があるか
  • 有効期間は3か月が上限で、更新は売主の申し出による。自動更新ではない
  • 遠方の実家は報告義務のある専任、隣地や親戚が買う可能性がある家は専任か一般
  • 2025年1月から、レインズの取引状況を売主が自分で確認できる。登録証明書を受け取る
  • 仲介手数料の上限は契約の種類で変わらず、800万円以下の家は33万円

よくある質問

Q. 不動産会社に専属専任を勧められました。断ってもよいですか
断れます。どの種類にするかは売主が決めます。専属専任は、不動産会社にとって他社に取られる心配がなく、1週間に1回以上の報告義務がある代わりに、売主は自分で見つけた買主にも売れません。隣の家の人や親戚が買う可能性が少しでもあるなら、専任か一般を選びます。違約金は仲介手数料と同じ額です(標準媒介契約約款第12条)。
Q. 専任媒介の3か月が過ぎたら、自動で更新されますか
自動では更新されません。標準媒介契約約款では、有効期間が満了するときに、売主が文書で申し出て更新します。申し出なければ契約は終わります。更新の前に、3か月間の問い合わせ件数と内覧件数を報告書で確認します。内覧がゼロなら価格が相場から外れている可能性が高く、別の会社や買取への切り替えを検討します。
Q. 一般媒介で3社に頼めば、早く売れますか
早く売れるとは限りません。一般媒介には報告の義務がなく、各社は他社で決まる可能性のある物件に広告費をかけにくくなります。問い合わせが多い都市部の家なら競争が働きますが、地方の空き家では放置されやすい契約です。一般媒介を選ぶ場合は、他社に頼んだことを各社に通知する義務があります(明示型が原則)。
Q. 囲い込みをされていないか、どうやって確かめますか
レインズの売主専用画面で確認します。専任か専属専任で契約すると、登録後に登録証明書が渡され、売却依頼主向けのIDとパスワードが載っています。2025年1月4日からは二次元コードも付いています。画面で取引状況が「公開中」になっているか、申し込みがないのに「売主都合で一時紹介停止中」になっていないかを見ます。事実と違う登録は、2025年1月1日から監督処分の対象です。
Q. 仲介手数料は、契約の種類で違いますか
違いません。上限は法令で決まっていて、売却価格の400万円超の部分は3%、200万円超400万円以下は4%、200万円以下は5%に消費税が加わります。800万円以下の家は、2024年7月1日から売主側の上限が33万円です。この特例を使うには、媒介契約の前に不動産会社が説明し、売主が合意する必要があります。契約書に書かれた手数料の額を確認してください。

査定は2社以上で比べる

買取の提示額は、業者によって差が出ます。複数の金額を見てから決めてください。 市ごとの解体費との比較は、市区町村のページに載せています。

建物を残したまま、無料で査定を頼む

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お住まいの市の条件で計算する

建物を残して売った場合の手取りと、解体した場合の自己負担を、市の地価と補助制度から計算します。 所要時間は1分です。名前や連絡先の入力はありません。

お住まいの地域の条件で診断する

出典

  1. 国土交通省|宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款(最終改正 令和4年5月26日)
  2. 東日本レインズ|媒介契約制度
  3. 国土交通省|レインズの機能強化について、物件の売主向けのリーフレット(令和6年12月24日)
  4. 国土交通省|消費者の皆様向け 不動産取引に関するお知らせ(媒介契約・仲介手数料)
  5. 高知県|空き家等に係る媒介報酬規制の見直しについて(令和6年7月1日施行、国土交通省告示第949号)
  6. e-Gov法令検索|宅地建物取引業法(第34条の2 媒介契約)
  7. 徳島市|危険廃屋解体支援事業について

記事の内容は、2026年9月23日時点の各出典にもとづいています。

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この記事の情報について

一般的な情報としてまとめたものです。実際の売却条件や税額は、物件ごとに変わります。 契約の前に、宅地建物取引業者と税理士に確かめてください。